愛犬の様子が、いつもとどこか違う。でも、元気そうにも見えて、気のせいかもしれない。そんなふうに迷うことはありませんか。
初期サインは気づきにくいことがありますが、気になる変化があれば、迷ったまま先延ばしにせず、早めに動物病院へ相談してください。
ダックスフンドは、椎間板ヘルニアが起こりやすい犬種のひとつとして知られています。この記事では、気づきにくい理由、初期サインの一例、気づいたときの考え方、動物病院で伝えることを整理します。診断を行うものではなく、相談につなげるための情報です。
初期サインは気づきにくいことがあります
椎間板ヘルニアは、突然起こることもあり、前ぶれがはっきりしない場合もあります。
また、犬は痛みがあっても、いつもどおりに過ごしていることがあります。食べる、遊ぶ、走るなど、好きなことを続ける犬もいます。
痛みのサインを表に出しにくい犬もいます。強い痛みがあっても、一見落ち着いているように見えることがあります。この傾向は、ダックスやヘルニアに限ったものではありません。
遊んだり歩いたりしていても、それだけで「痛みはない」とは言い切れません。

初期サインの一例
椎間板ヘルニアでは、初期に次のような変化が見られることがあります。
- 抱っこしたときに痛がる
- ジャンプをしなくなる
- ゆっくりしか歩かない
- 背中を丸めているように見える
ここで挙げたのは一例で、すべてではありません。変化に気づくには、普段の様子を知っておくことが手がかりになります。
詳しい変化や観察のポイントは、ダックスのヘルニア初期症状|普段との違いに気づく観察ポイントで整理しています。あわせてご覧ください。
初期サインに気づいたら
気になる変化が1つでもあれば、早めに動物病院へ相談してください。
椎間板ヘルニアは、前ぶれがはっきりしないことがあります。「元気そうだから大丈夫」とは言い切れないため、自己判断で先延ばしにしないようにしましょう。
気づいた変化を覚えておいたり、メモしたりするのは、相談の準備です。受診を先延ばしにするためではありません。
変化の出方は、犬によって違います。「いくつ当てはまれば受診」といった決まりはありません。
気づいた変化を動物病院へ伝えることから、相談が始まります。

動物病院で伝えること
病名を考えて伝える必要はありません。いつもと違う様子に気づいたら、そのまま伝えましょう。
次のような情報があると、診察の助けになります。
- いつ、どんな場面で変化に気づいたか
- 変化がどのくらい続いたか
- 食欲や元気はどうか
- 以前にも同じようなことがあったか
スマートフォンで撮った動画やメモも役立ちます。診察室では、普段の様子が再現できないことがあるためです。
ただし、撮影のために、犬を無理に歩かせたり、高い場所に乗せたりする必要はありません。撮影は、犬に負担をかけない範囲で行いましょう。
また、「動画を撮ってから受診しよう」と考えて、受診が遅れないようにしましょう。撮影は受診の準備であり、後回しにする理由にはなりません。
無理をさせすぎない暮らし
ふだんの暮らしでは、背中や腰に無理をさせすぎない工夫も大切です。気になる変化があるときは、こうした工夫をしていても、早めに動物病院へ相談してください。
たとえば、次のような工夫があります。
- ソファやベッドなど高いところへの飛び乗り・飛び降りは、できるだけ避ける
- 階段の上り下りは、回数を減らす
- 投げたおもちゃへの飛びつきは、控えめにする
- 体型を適正に保つ

すべてを完璧に行う必要はありません。無理のない範囲で、できることから取り入れましょう。
不安になりすぎず、気づいたら相談を
不安になりすぎる必要はありません。普段の様子を知っているからこそ、小さな変化に気づくことができます。
気になることがあれば、ひとりで抱え込まず、早めに動物病院へ相談してください。
ヘルニアそのものについて知りたい方は、ダックスと椎間板ヘルニア(基礎記事)もあわせてご覧ください。
情報の参考元
本記事は、以下の獣医系大学・専門誌・動物病院の公開情報をもとに、編集部で情報を整理しています。
主に、次の点を参考にしています。
・ダックスフンドが椎間板ヘルニアの起こりやすい犬種のひとつとして挙げられている点: 3番・5番
・椎間板ヘルニアは、突然起こることもあり、前ぶれがはっきりしないことがある点: 3番
・痛みがあっても、いつもどおりに過ごしていることがある点: 1番・2番
・初期に、抱っこしたときに痛がる、ジャンプをしなくなるなどの変化が見られることがある点: 3番
・気になる変化があれば、自己判断で先延ばしにせず、早めに動物病院へ相談する点: 3番・5番
・動物病院に伝える情報や、動画・メモの考え方: 4番
・背中や腰に無理をさせすぎない暮らしの工夫(飛び乗り・飛び降り、階段、飛びつき、体型の項目): 3番・5番
-
サリー大学獣医学部(School of Veterinary Medicine, University of Surrey)(著者: Rachel Malkani, Sharmini Paramasivam, Sarah Wolfensohn、査読付き学術誌 Frontiers in Veterinary Science 掲載)
How does chronic pain impact the lives of dogs: an investigation of factors that are associated with pain using the Animal Welfare Assessment Grid
https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1374858/full -
Today’s Veterinary Practice(著者: Anusha Balakrishnan, BVSc〔ペンシルベニア大学獣医学部〕、Elana M. Benasutti, CVT〔ペンシルベニア大学附属動物病院〕)
Pain Assessment in Dogs and Cats
https://todaysveterinarypractice.com/diagnostics/pain-assessment-in-dogs-and-cats/ -
名古屋動物医療センター
椎間板ヘルニア
https://namc.co.jp/shikkan/shikkan-784/ -
とがさき動物病院(監修: 院長 灰井康佑氏)
犬のふらつき・異変は動画で残す|神経症状を見逃さない観察ポイント
https://togasaki-ah.com/movie-dog/ -
コーネル大学獣医学部 リニー・犬健康センター(Cornell University College of Veterinary Medicine, Riney Canine Health Center)(Cornell大学獣医学部のDogWatchニュースレターからの転載)
Intervertebral disc disease
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney-canine-health-center/canine-health-information/intervertebral-disc-disease
本記事は、初期サインに気づいたあとの考え方と、動物病院へ相談するときの伝え方を、上記の公開情報をもとに編集部で整理したものです。参考元は5件とも、ダックスフンド専用の資料ではありません。1番・2番は、椎間板ヘルニアに限らない、犬の痛み全般に関する研究・専門誌記事です。3番・5番は犬の椎間板ヘルニアに関する資料で、どちらもダックスフンドを含む複数の犬種を、椎間板ヘルニアの起こりやすい犬種として挙げています。4番は犬の神経症状全般の資料で、椎間板ヘルニアは例として挙げられています。
診断や治療を行うものではなく、適切な対応は個体差や状態によって異なります。
異常や気になる変化がある場合は、無理に自宅だけで判断せず、かかりつけの動物病院へ相談してください。

コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 椎間板ヘルニアの症状については、ダックスと椎間板ヘルニア|初期症状の見分け方と早期対応の記事で詳しく解説しています。 […]
[…] 小さな違和感に気づくための考え方については、👉 ヘルニア初期サイン の記事でも詳しく解説しています。 […]
[…] まずは、まずは負担を減らす暮らしを整えながら、👉 初期サイン や👉 症状 についても知っておくと安心です。 […]